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【始めに】
どうも、毎度おなじみ突撃三士です。今回はClearの「てのひらを、たいように」
のレビューをお送りしたいと思います。
原画おーじ氏を言う一部の人には評価の高い作品。さてさて、その実体や如何に!
【キャラクター】
春野 明生・・・「てのひらを、」編の主人公。まあ、詳しくは言いません。言っちゃうと面白くないので。 とりあえず、友達思いの熱い奴。詳しくは本編にて。
夏森 永久・・・「てのひらを、」編メインヒロイン。この子を中心に物語は進んでいきます。
その正体は、序盤で思いつくでしょう。というか、自分は出てきて直ぐに気が付きました。(笑) とりあえず、天然。精神年齢低し。口癖「あう・・・」。・・・・でも、それだけじゃ終わらせません。
佐倉 穂・・・・明生の幼なじみ。 とりあえず、ナイチチ(え)。強気で意地っ張りで純情。萌えだけで言えば、最強か?
吉野 美花・・・明生の幼なじみ、その2。
とりあえず、わがまま。そのうえ、泣き虫。性格的にヒロインで良いのかと思わせるような女の子。
四次元ポシェット装備。
速見 順哉・・・「たいように」編主人公。明生の一つ先輩にして幼なじみ。 明生が子供っぽいのに対して、どことなくクール。だけど根は結構熱い。
床与 更紗・・・順哉の幼なじみその1。とにかく、寝る。何処でも寝る。いつでも寝る。 と言うか、それしか出てこない(マテ)。ヒロイン中唯一、胸がある。
成瀬 凛・・・・順哉の幼なじみその2。とにかく、妹。このゲーム、唯一の妹格。 べたな背伸びする子供。それ以外は何も言うまい。(苦笑)
以上、メインキャラクター。サブキャラとして、穂の母親、佐倉 穂波。
明生の担任教師、日高 圭一郎。同じくクラスメイト、蓮見 まりあ等が居ます。
【シナリオ】
あらすじの通り、「さとり」という存在の伝説の残る街で起こる事件のお話です。 「てのひらを、」編と「たいように」編に分かれ、前者は冬雀氏、後者は秋津環氏が書いています。
それぞれの詳しい説明は後に回すとして、物語の格となる「さとり」についてちょっと解説。
「さとり」。漢字で書くと「覚」。
姿形は毛むくじゃらの大猿に近い。名前の通り人の心を読む妖怪で、類型の妖怪は日本中に存在する。
中国にも猩猩(しょうじょう)という似た妖怪が居る。
逸話として、山に入った木こりの前に現れてその心の内を次々言い当て、怖がらせた所、
偶然によって撃退したと言う話が残る。
【てのひらを、編】
本編とも言うべき「てのひらを、」編。4つある全てのエンディング(永久ノーマル、穂、美花、永久トゥルー)
を見ないと「たいように」編は出てきません。
ネモ
街で起こる事件について主観的に話が進みます。主人公は春野 明生。
大体1本筋のお話で、流れとして、第1章友情の復活、第2章友人たちと、
第3章恋人と「さとり」、最終章決着、ってな感じです。いや、実際に章立てて話が進むわけではないんですが。
このお話の肝は何だと聞かれたら、恋愛でも、「さとり」の伝承でもなく、まさしく「友情」でしょう。
とにかく主人公達の友情は暑苦しく、幼いのです。子供の、それも男も女もなく遊んでいた頃のような友情。
それ故に純粋で、酷く強い絆。
それは目の前で見ていたら恐らく誰もが「ガキっぽい奴ら」と思ってしまうでしょう。
だけどディスプレイを通して、照れや恥ずかしさを取っ払って見てみれば、酷く眩しいモノです。
恋愛や感動、謎や怪奇、恐怖、確かに話の中にあります。ですが、
やはり感じるのは羨ましいくらいの友情。それ以上に言うことはありません。
ともすれば人間関係が緊張感を漂わせる現代社会。その中で忘れていたモノを、この話は呼び返してくれるはずです。
とまあ、褒めたところで(?)一寸ダメだし。
話が一本筋なら筋らしくして欲しい。穂、美花エンドの話はどう考えても
ちょいと付け足しました程度で終わってるのが気にくわない。
そんなモノをつけるのなら、思い切って斬って本筋を増やすか、
それともルートとして独立させるかをして欲しい。 出来が良かっただけに、残念です。
【たいように編】
「てのひらを、」編の補完編とでも言いましょうか、事件に対して客観的な立場からの死点で進むシナリオです。
主人公は速見 順哉。 こちらの話は2ルートありまして、微妙に行動が違います。この微妙な行動の違いがポイントです。
さて、こちらのシナリオですが・・・・・「てのひらを、」編に比べて明らかにクォリティーダウンしています。
何故かというと・・・・・
・事件に関わっていく動機付けが弱い。「てのひらを、」編ではしつこいくらい繰り返されたのに、
あまりにもあっさりしすぎです。
・ルート毎に微妙に異なる行動によって、「てのひらを、」編での主人公の行動と咬み合わなくなる。
・これは「てのひらを、」編でもそうなのですが、「てのひらを、」編(「たいように」編)のキャラとの接触が少ない。
の3点。
別にそれほど悪いシナリオでもない思います。「てのひらを、」編での悪役の裏側が見えたりと
二つの視点からのお話である利点を上手く使っていると思います。 ですが、「てのひらを、」編と比べるとどうしても質が落ちていると言わざるを得ません。 2ルート作らず一本筋の話にして、もっと文章量を増やしていたら・・・・・或いは、面白い話になっていたかもしれません。 非常に残念です。
【グラフィック】
原画おーじ氏と言うこともあり、グラフィックの質その物については文句はありません。 塗りも丁寧ですし、ブラボー!って感じです。ただ、傾向としてロリ系が多いのが難点と言えば難点?
さて、上のような言い方をするとネックになる部分があるような気になりますが・・・・その通り。 質に文句はないのです。とても良いのです。ただ惜しくらむは、量が圧倒的に足りないのです。
この文章量に、差し分無しで80枚はちと少ない。これ!と言った場面で一枚絵が出てこないのは、興ざめです。
さらに言えば、立ち絵も少ない。メインキャラの表情が少ないのはまだ我慢できますが、
絶対にエキストラではない、サブキャラクターの立ち絵がないのは許せません。
【サウンド&ボイス】
BGM全29曲、内ボーカル曲は「てのひらをたいように」、「あしたの約束」の2曲。
歌ってらっしゃるのは佐藤 祐美さん。 なかなか良い曲です。しっかりとゲームを盛り上げてくれます。
また、ボーカル曲もGOOD。特に「てにひらをたいように」はタイトルと同名を冠しているのに恥じない、
ゲームに合った曲です。
ボイスの方もなかなかのものです。声優さん達の力量がすばらしいのか、皆さんキャラに合った声をされてます。
特に「てのひらを、」編の三人娘をやっていらっしゃる方はすばらしい。
キャラの掛け合いにニヤリとするのは、声優さんの力も少なからずあるでしょう。
さて、恒例(?)のダメだし。男性のボイスが中途半端&声優さんが一人。
音声のある部分が中途半端です。前半はほとんどありませんが、後半は大体あります。ありならあり。
無しなら無しにして欲しい。
個人的に言えば、主人公を含めて全て作って欲しかった。二人同時の発言があるのですが、
女性などはちゃんと声優さんが同時に言いますが、主人公との時は一人だけ。ちょっと寂しいですね。
男性をやっていらっしゃる方が少ない。声優さんが公表されていないので、
どうかは解りませんが多分一人じゃないでしょうか。
彼が幾人もの声を使い分けられるならまだ良いのですが、其処までの実力は無かったようです。
せめて、サブキャラくらいは人数を揃えて欲しいモノです。
【システム】
システム面については特に良い面はありません。良くもなく、悪くもなくです。
【エロ】
各メインキャラに一回ずつ。ただし、更紗、凛は尺が長めで回想モードだと2つに分かれています。
キャラのナイチチ率が高く、乳あるのは更紗だけ。そっち系がダメな人はダメかも。
ですがどちらにしても、エロ系のゲームではないので期待できるものではないのですが。
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